PAINTING: 壁画

 


沖縄南城市にあるレストラン「胃袋」に壁画を描いてきた。

今帰仁の浜辺で夕陽を眺めていたら、ピンクの落陽がグレイの曇天と溶け合い出し、 色が交じるので私の焦点は奪われ、とらえたいものがなくなり、何色かもわからなくなった。

そんな景色を掌で描いた。
店主の関根麻子さんは、描画中、即興で料理を作った。

畑のすみで育った名もない自然交配された葉(ウイキョウとニンジンの葉が混ざったような味)、莟、湧き水の横に顔を出した赤ちゃんのような新芽、ミクロを見過ごさず料理するから、食べればこちらの感性が刺激されて小爆発する。
旅しながら壁画を描くのはこの上ないことだった。
なにより壁を分け与えてくれる店主の度胸と寛大さに恐れ入る!
そしてその時間を撮りに訪れてくれた写真家の在本彌生さんの熱ももちろん壁画に染み込んだと思う。

2020.4.5