橙書店


橙書店での原画展は12月25日まで。https://zakkacafe-orange.com/
数日在店してきました
冬の熊本は想像以上に寒くって、最初は風邪寸前だったけれど、橙書店でどんどん体があったまった。
毎日、え!あ!わ!うそ!みたいな出会いばかり。
ひとつひとつ一冊一冊ひとりひとり毎分毎秒一言一言、見つめてきた全部が宝物。
会話、珈琲、窓辺の冬色、枯葉、新刊本のエネルギー、橙色とかも。
橙書店で膨らました自由の風船がわたしの手にはたくさん握られていた。
店主の田尻久子さんに出会えてよかった。
最後バスまで見送ってくれた時、ぎゅっとハグして、久子さんの右手を握ったりさすったりした。
何を言ったか忘れたけど、とにかく「ありがとうありがとう」と伝えたような気がする。

過去の血を知っているノビノビしたクスノキにも伊藤比呂美さんが出会わせてくれた。
優しい木だった。
だけど、地上に盛り上がる根が、人が這いつくばる形に見えたことも忘れない。

細川亜衣ちゃんと食事を2回した。
わたしは亜衣ちゃんの料理を誰よりも美味しく食べる自信がある笑。
亜衣ちゃんがさわる野菜ってなんであんなに水の道を感じるんだろう?
亜衣ちゃんが食卓に運ぶ色もドキドキする。

熊本の湧水もびっくりするくらい飲んだ。
お腹たぷんたぷん。
芭蕉の苞っていうやつを器にして坂口恭平くんとガブガブ掬って飲んだ。
そうしたら一瞬で、おでこの眼もお腹の景色もパッカーンと開いた。
それからはもう水と景色と時間がわたしを連れて、混沌へ逆戻り、連れてってくれた。
すっごい時間だった。
あのまま芭蕉に囲まれた小さい水の中で寝てしまいたかった。
お腹の中が水源になったから、その晩も翌朝もご飯食べなかった。
それがとっても成功したみたいで、わたしの腹中に広がる土壌が潤って喜んだ。

久子さんは熱源。わたしのお腹の中は水源。
どっちも行ったり来たりしてるうちに、幸福になった。

スイッチ・パブリッシングの新井敏記さんがつけてくださった画集のタイトル「TRAVELOGUE」は新井さんからの旅切符みたいです。

旅行記は景色と人の色でぐんぐんカラフルに。

本を一冊作る、世に出す、みなさんの手に渡るってすごいことだと、はじめて実感がはじまりました。

原画展、九州からスタートし、北上していく予定です。

2022.12.6