はじめて子供2人だけで北海道行き飛行機に乗った10歳の夏3週間。
空港からさらに車で5時間走ってようやく辿り着く同級生のおばあちゃんの家はただただ静かなところ。
ストーブ焚いて朝の菜っ葉入り味噌汁のち、少女漫画の模写。
デッカイ目の中のキラキラのあんばいでみるみる変わる表情の研究にいそしみ、無言。
昼に俵型塩おむすび。
午後は銭湯の番台仕事へ出かける。
アイスクリームがバイト代で、毎日食べるからたまにアタリ棒。
バイクスーツを脱いだ筋骨隆々なひとたち相手の小銭仕事は痺れたし、外のバイクにも痺れた。
息抜きは、アイス舐めながらひとり外をふらつきすごく長い坂道を見上げる。
ほんとうに誰もいない。
陽炎。空にとどくくらいもやもや。
これの繰り返し。
「陽炎」(2017)
2018.6.1